「きれいだね、なんで花って散っちゃうのかな」

「こうやって咲いている花も、あと数日後には枯れてまた種を残し」

「またその種は春を迎え芽を出し花を咲かせる」

「そしてまた散ってしまうんだ」

「嗚呼、」





「まるで私たちに死をオブラートに包んで教えているようじゃないか」










やさしく死を告げるもの

そして輪廻を示唆するもの

桜は散り際が美しいという人はいるが

それはいつか消えてしまうから美しいのだというのか

終わりを作ったのは　貴方にいずれくる儚さは

どうしてこんなに哀しいと思うのだろうか





咲いて枯れて種を作り

また咲いて枯れて散ってゆく

その中に貴方というものが

たった一度しかないことを





貴方は知っているのだろうか

同じ種から咲くとしても　それは同じ花ではないのですよ